​特別フォーラム|第7回|ICTを利用した読解授業

Report by Vamshi Krishna B M, The EFL University, India

 

2020年9月27日(インド時間14:30~16:30)、JLESA主催第6回オンライン特別フォーラムが開催された。当フォーラムには17カ国から約200名を超える日本語教授及び学習者が集まり、日本語教育専門でありながら、NPO法人多読でもご活躍されている作田奈苗教授をあたたかく迎えた。作田教授は参加されたメンバーに対して読む力を身につく効果的な方法を紹介した。「多読」は「読解」と異なり、学習者自身が好きな本を選び、楽しみながら読むという学習者中心となる活動であると強調した。「多読」プロジェクトで含まれている本は選びやすいようにグループ化及び色分けされており、絵が多いのが特徴である。テーマも初心者用の絵本から、民話、短編小説、一般知識、漫画やコミックまでさまざまだ。ほとんどの本には音声がついているので目からのインプットに限らず、音からも学習できるようになっている。その結果、広い範囲で読むことができ、読解力を身につけるとともに、文脈内の表現や言葉遣いの学習が可能となる。

 

「常に易しいレベルから始める」「辞書を使わない」「分からないところは飛ばす」「内容が難しければ、別の本に移る」という4つの柱で成り立っている多読は、英語教育のインプットとしてのEXTENSIVE READINGを背景に日本に導入され、時期に日本語教育にも効果的学習手段であると認められた。作田教授は、動画を通して「多読」授業がどのように行われるかを紹介し、選書のアドバイス、フィードバックおよび評価方法に明かりを照らした。ここで、担当先生の役割は感想文の課題を与え、議論できる場を作るファシリテーターにすぎないということを再び強調した。なお、新型コロナウイルスの拡大の中では、多読授業もデジタル形式をとり、教室に限らず多様な地域から学生が本をアクセスできるようになったが、そのわりに授業を観察することは難題となり、通常できるピアインターアクションができなくなっているとその旨述べた。

 

講義の最後には質疑応答が行われ、「多読」授業の理想的なセッティング、評価の方法について参加者からの質問に対して発表者が適切なコメントをした。また、参加者は「多読」を実体験し、今後授業で実施していく中での利点弱点を議論した。南アジアでは既に多くの先生方・機関が「多読」を実際の授業で実施していることを知り心強く思われた。近い将来、この地域で具体的な研究が行われ、より多くの学生が多読を試みることを期待されているとその旨を述べた。

 

本フォーラムはバーチャル懇親会で多国からの参加者の交流で終わりを迎えた。

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